猫と生活している人ならご存知かと思いますが、猫は日に何度も「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。このゴロゴロと喉を鳴らしている行為にはいったい何の意味があるのでしょうか。
そして実はこの喉を鳴らしているゴロゴロ音には、人間にとってとても良い効果があるのは皆さんあまりご存じないかと思います。
今回は、猫が発するゴロゴロという喉を鳴らす行為の理由やなぞの解明、そしてこの喉を鳴らす行為が人間にとってどんなプラスの影響を与えるかなどを徹底的に解説したいと思います。
猫のゴロゴロという喉を鳴らす仕組みはなに?
猫のゴロゴロという音はどうやって鳴らしているのでしょうか。実は、人間で言う「喉仏(のどぼとけ)」を収縮させて整体を振動させて鳴らしていると言われています。しかし実は正式に解明されているわけではなく「恐らくそうだろう」という事になります。
この行為に関していくつかの説があります。それは以下の通りです。
- ゴロゴロ音だけの仮声帯がある
- 血流が渦巻いて音が出ている
ゴロゴロ音だけの仮声帯がある
人間が声を発するのと同じように、猫は声帯を閉じたり開いたりする事で鳴き声が出ます。そして人間にも猫にも「仮声帯」というものが存在しています。仮声帯は声帯の上部に位置し、食べ物や飲み物が器官に入らない為の喉のフタのような存在になります。
例えば人間にも「声帯」と「仮声帯」を使い分ける事が可能です。
声を発するのではなく、低い声で小さく唸るような音を出す時は、この仮声帯を動かして出す事ができます。一度やってみて下さい。小さく低く唸る時に、喉の浅い部分で出している感覚が分かるかと思います。少しでも出す音量が大きくなってしまうと鳴らしている喉の奥側から音が出ている感覚がわかるはずです。
これと同じように、猫のゴロゴロという音は声帯ではなく「仮声帯」を震わせているという説です。
血流が渦巻いて音が出る
もう一つの仮説は「血流が渦巻いて」低いゴロゴロ音が出ているという説です。
猫の喉元には人間と同じように大静脈が通っています。大静脈はとても太い血管で、体の中の血を心臓に送る役目があります。この大静脈の血流が激しくなると血流が渦巻いて、猫のゴロゴロ音が出ているという説です。
どちらが正しいかは正式に発表はされていないので、どちらも仮説になります。しかし個人的な意見にはなってきますが、長年動物看護士として病院勤務をしてきた経験で言うと「仮声帯」の説の方が強いのではないかと感じています。
猫のゴロゴロという喉を鳴らす理由はなに?
猫は日常的にこの「ゴロゴロ音」を鳴らします。あなたと日々一緒に過ごすねこちゃんも、きっとあなたを見かけると何度もゴロゴロと音を鳴らしている事でしょう。
さて、猫はこのゴロゴロ音はなぜ鳴らすのでしょうか。恐らくほとんどの方が何となく認識しているのは「甘えている」や「落ち着いて気持ちが良い」などの時ではないでしょうか。
猫がゴロゴロと音を鳴らす理由は以下の通りです。
- あなたに対して「幸福感」を感じている
- 他の猫とあいさつをする時
- 母と子猫のコミュニケーション
- ストレスを感じている
- 痛みを緩和させたり呼吸を整えるため
- 飼い主に要求をしている時
あなたに対して「幸福感」を感じている
あなたが恐らく解釈している「甘えている時」「落ち着いている時に撫でた時」「あなたの傍にいる時」にねこちゃんはゴロゴロと喉を鳴らします。これは幸福感を感じている時です。
もっと触って欲しい、撫でて欲しいなど幸福感や満足感を喉を鳴らす事で表現しています。
あなたとねこちゃんが信頼関係を築けている証拠にもなります。
同居猫や知り合いの猫とあいさつをする時
多頭飼いをしている方ならわかるかと思いますが、同居している他の猫と挨拶したりじゃれ合ったりしている時も喉を鳴らす場合があります。
研究者の中でも他の猫たちとどのようなコミュニケーションを取っているかは解明されていないと言っていますが、同居猫や知り合いの猫などにコミュニケーションを取る時に「私(僕)は君にとって脅威ではないよ」「仲良くしようね」などの親しい存在だとアピールするために喉を鳴らしている可能性も否定できないと言っています。
もし家の中でそんな光景を見かけた時は優しく見守ってあげましょう。
母と子猫のコミュニケーション
子猫は生後僅かでゴロゴロとの喉を鳴らすそうです。子猫は生後僅かの場合は目も見えず、耳も聞こえません。
なので母猫はこのゴロゴロ音で子猫にコミュニケーションを取ろうとします。また、生まれたばかりの仔猫も同じくゴロゴロ音で答えます。目も見えず耳も聞こえないので、母猫の喉を鳴らす音が授乳の時にとても大切な働きをしていると研究者は発表しています。
ストレスを感じている
猫のゴロゴロと喉を鳴らす行為は一般的に「気持ちが落ち着いている時」や「安心している」際に出す時と言われています。
しかし逆にストレスを感じている時にも喉を鳴らす場合があるそうです。動物病院に連れて行ったり、知らない場所に連れて行った際にゴロゴロと音が鳴っているのを聞いたという経験はありませんか?個体差はありますが、イライラしている時に気持ちを落ちつかせるときにこの喉を鳴らす行為をする場合があります。
満足感や幸福感を表すゴロゴロ音よりもやや高めの音で喉を鳴らす場合が多いです。
痛みを緩和させたり呼吸を整えるため
痛みを鎮めたい場合や呼吸を整える際にも、ストレスを落ち着かせるため同様喉を鳴らす場合があります。
猫は犬と違って環境の変化にストレスを感じます。例えば引越し経験がある方は多いかと思いますが、引越し先でねこちゃんを放した時にどうなりましたか?
部屋の隅やトイレの中、物陰の奥などに隠れたかと思います。この様に猫は環境の変化にものすごくストレスを感じます。そんな時に呼吸を整えるために喉を鳴らす場合があります。
飼い主に要求をしている時
あなたとねこちゃんは強い信頼関係で結ばれています。強い信頼関係であるからこそ要求をしてきます。
「撫でて欲しい」「ご飯が欲しい」「構って欲しい」
あなたに対して幸福感を感じている時と同様、要求時にも猫はゴロゴロと喉を鳴らします。
できるだけ要求には応えてあげましょう。しかし甘やかすだけが信頼関係ではありません。ご飯をあげすぎる事も健康面ではよくありません。その判断はあなた次第です。
猫のゴロゴロという喉を鳴らす音は飼い主にもメリットがある
猫がゴロゴロと喉を鳴らす事の大半は、安心している時や気持ちが良い時の表現です。猫にとってはメリットになるのですが、実は私達飼い主にも猫のゴロゴロ音によってもたらす効果があります。
猫のゴロゴロ音が飼い主にもたらすメリットは以下になります。
- 疲れた体を回復させる
- 自律神経やホルモンバランスを整える
- 免疫力や自然治癒力を高める
- 骨密度を上げる
疲れた体を回復させる
猫が発するゴロゴロ音の周波数は25ヘルツ程度と言われています。20~25ヘルツの周波数は「副交感神経」を優位にする周波数だと言われています。
この「副交感神経」は人間の身体を回復させる機能を持っています。猫のゴロゴロ音を間近で聞く事によってストレスを緩和させ身体的に回復する事ができます。
自律神経やホルモンバランスを整える
猫が発するゴロゴロ音の低周波は、疲れた身体を癒す効果以外にも自律神経やホルモンバランスを整える効果も認められています。
このゴロゴロ音の低周波により「セロトニン」という脳内の神経物質が活発化すると言われます。
このセロトニンが低下してしまう事で鬱やパニック障害を引き起こすので、仕事などでストレスが溜まった時にはあなたのねこちゃんにたくさん癒されてください。
免疫力や自然治癒力を高める
嘘みたいな話ですが、研究者の中では「外傷の自然治癒力を向上させる」と提唱している人もいます。
フランスではこの免疫力・自然治癒力の向上効果を利用して猫のゴロゴロ音を治療などに利用した「ゴロゴロ・セラピー」が行われています。
フランスではこの「ゴロゴロ・セラピー」に関する書籍も数多く出版され、日本と同じように猫カフェも数多く出店されています。
骨密度を上げる
手このゴロゴロ音の発する低周波が人間の神経や外傷にまで良い影響がある事はご理解頂けたかと思います。
この猫のゴロゴロ音の低周波だけではなく、微弱な振動が人間の「骨」に対しても良い影響があります。
実際に筑波大学の研究チームの発表で、人間の骨密度を上げ骨粗しょう症や骨折治療にも良いと科学的にも立証されています。
サッカーで有名なデビット・ベッカム氏も骨折をした時にゴロゴロ音による「超音波骨折治療」で早期回復をしたという有名な話もあります。ストレス緩和や自律神経の向上だけではなく外傷や「骨」に関しても良い効果があり、猫のゴロゴロ音はメリットだらけなのです。
ゴロゴロと喉を鳴らさない猫もいる
さて猫のゴロゴロ音が人間に対しても絶大な効果がある事を分かって頂けたでしょうか。
猫が環境変化やストレスを感じている時以外、ゴロゴロと音を出す事であなた自身にもねこちゃんにとっても良い事尽くしな事が理解できたかと思います。
しかし、残念な事に猫にも個体差があります。すぐにゴロゴロと音を鳴らす猫もいれば、ほとんど鳴らさない猫、全く鳴らさない猫もいます。
個体差なので仕方がありません。しかし、ゴロゴロと音が鳴っていないからと言ってあなたとねこちゃんの信頼関係が築けていないわけではありません。ただ喉が鳴っていないだけで、同じ表現もします。
例えばうっとりとした表情で顎を伸ばして、顎の下を撫でて欲しそうにしている場合やあなたに甘えている時などはただ喉が鳴っていないだけで、一緒の事です。
あなたに安心して信頼しているからこそ、ねこちゃんはあなたに甘えるのです。
愛猫の病気やケガには事前に備える事が大事
あなたが迎え入れた保護猫や購入した子猫は、いつどんな状況で病気やけがに見舞われるかわかりません。
特にシニアと言われる年齢に差し掛かってくると内臓疾患が見つかったり、病気になる確率も上がります。また、手術などを行うと高額な費用も掛かります。
しかしシニアになってからペット保険に加入は出来ません。未来のあなたのねこちゃんの為にも保険に加入する事を推奨します。
ペット保険と言われてもどんな保険があるのか、どの会社の保険が安くて手厚い保険なのか調べる事も一苦労です。
そんな時に「ペット保険一括資料請求」のサービスがあれば便利だとは思いませんか?自分で調べる必要もなく、問い合わせる必要もありません。
資料請求は1円もかかりません。まずは資料請求をして、保険料がどのくらいかかるのか、どの病気や手術の場合に保険料が支払われるかなどを資料を見ながら決めていきましょう。
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