ロシアンブルーは、人気ランキングの上位を常にキープする、猫好きの多くが一度は飼ってみたいと思う人気の高い猫です。
その人気の理由は、他の猫種とは異なる「気品高いスタイル」「忠誠心の高さ」「穏やかな性格」という特徴にあります。
「鮮やかでエメラルドグリーンに輝く大きな瞳、短毛でアッシュブルーの被毛、絹糸のように滑らかで綺麗な毛艶」というスタイルをもちながら、「忠誠心が高く穏やか」という性格が猫好きの間で大変人気を集めています。
そんな人気の高いロシアンブルーにつき以下の疑問にお答えします。
- 「猫ではない」といわれるのは何故か
- 飼う際には何に注意すればよいか
- ロシアンブルーの由来は何か
本記事では、上記の疑問だけではなく、その性格や特徴も併せて説明します。
また、飼育する際の注意点等も記載していますので、飼育を考えられている方、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
ロシアンブルーの歴史
ロシアンブルーの起源については諸説ありますが、ロシア原産の自然発生種といわれています。
ロシア皇帝の愛猫として飼われ、イギリスのビクトリア女王にも寵愛されたといわれます。
ロシアからイギリスや北欧のヨーロッパに渡ったのは、船乗りのボートに同乗したことにあるともいわれ、その後、 アメリカに渡ったのは1900年代初頭といわれています。
しかしその頃のロシアンブルーは、今の気品高いスタイルはまだ確立できていません。
アメリカに渡った後、北米のブリーダーがスカンジナビアとイギリスから連れてきた猫を交配させたことで、現在のロシアンブルーのスタイルが確立したといわれています。
ロシアンブルーの特徴的な性格5選
ロシアンブルーの性格を現すには、以下5点がよく挙げられます。
- 「ボイスレスキャット」の異名をもつほど静か
- 「犬みたいな性格」といわれる強い忠誠心
- 特定の人に示す大きな愛着心
- シャイで神経質かつ、人見知り
- 運動や遊びが大好き
「ボイスレスキャット」の異名をもつほど静か
「ボイスレスキャット」の文字通り、物静かであまり鳴かないことで知られており、マンション等の集合住宅でも飼いやすいといわれる猫種です。
但し、食事が欲しい時、甘えたい時等、なんらかの要求があるときには鳴いてコミュニケーションを取ろうとしてくれます。
「犬みたいな性格」といわれる強い忠誠心
「犬みたいに忠実」といわれ、その為「猫ではない」と評される事もあります。
一般的に猫は自由気ままで忠誠心が薄いといわれますが、それとは対照的に、愛情深い性格で、飼い主の後をどこでも付いて回る事もある、犬のように忠実な性格をもちます。
中には、家族が帰宅した時に玄関で出迎えてくれる子もいるほどです。
特定の人に示す大きな愛着心
従順な性格は従う相手を選び、特定の人に献身的な愛情を示すという一面もあります。
家族の中でも一人だけを選んで愛着を示す傾向があります。「この人には従うけど、この人のことは、それほどでも・・・」など、愛情の注ぎ方に明らかな差があるケースも見られます。
シャイで神経質かつ、人見知り
人見知りが激しく、シャイで神経質な面があります。
そのため、見知らぬ人が家を訪ねてきた際などには姿を現さず、人目のつかない場所に隠れてしまうこともあります。
その相手は人間だけに限らない為、多頭飼いを検討している場合は、他の猫との相性を見極める等、より慎重に検討する必要があります。
但し、この必要以上に神経質な性格は、ブリーダーの努力によって最近では改善がみられているともいわれています。
また一旦信頼関係を築くことができると、非常に甘えん坊になります。
運動や遊びが大好き
狩りの習性が強く残っているため、運動や遊ぶことが大好きです。
もし「最近動いてないな、遊んでないな」と感じる事があれば、飼い主がおもちゃで一緒に遊んであげるようにしてください。
できれば子供の頃から常におもちゃを用意しておき、「遊び癖」をつけてあげるのも理想的です。
ロシアンブルーが愛される4つの特徴
ロシアンブルーが愛される特徴には、以下の4点がよく挙げられます。
- 「ロシアンスマイル」と呼ばれる愛らしい表情
- キントブルーからグリーンに変化する瞳
- なめらかなアッシュブルーの美しい皮毛
- 猫アレルギーを発症しづらい
「ロシアンスマイル」と呼ばれる愛らしい表情
ロシアンブルーは口角が上がっている唯一の猫種で、そのにっこりと愛らしく微笑んで見える様子は「ロシアンスマイル」とも呼ばれています。
その愛らしい微笑みと美しいルックスから、まるで天使のような猫といわれることもあるほどです。
キントブルーからグリーンに変化する瞳
美しいルックスの要素のひとつに、瞳の色もあります。
ロシアンブルーの多くの成猫の瞳はグリーンですが、産まれた時の瞳は「キトンブルー」と呼ばれる淡いブルーの色をしています。
キトンブルーの「キトン(kitten)」の意味は「子猫」です。
つまり、成長するにしたがってブルーからグリーンに瞳の色が変化する、大変珍しい猫種です。
なめらかなアッシュブルーの美しい皮毛
瞳の色に加えて、綺麗な毛艶をしたアッシュブルーの皮毛も特徴のひとつです。
皮毛の構造は「ダブルコート」と呼ばれる、アンダーコートとトップコートによる二重の分厚い毛皮で、その毛質は非常に細かく、絹糸のようになめらかなものです。
これらの特徴から実際よりもボリューム感があるように見え、その事でより気品の高さを増して見えます。
猫アレルギーを発症しづらい
ロシアンブルーは、猫アレルギーが発症しづらい猫種です。
猫アレルギーの原因となる「アレルゲン」というタンパク質の生成量が少ない事、短毛である事がその理由としてあげられます。
「サイベリアン・フォレスト・キャット」も同様の特徴を持つ猫種といわれています。
ロシアンブルーを飼育する際の注意点
ロシアンブルーの性格や特徴から、飼育する際には以下のような注意点があげられます。
- ストレスを与えない為の環境づくり
- 最適なキャットフードの選択
- 肥満に注意
ストレスを与えない為の環境づくり
警戒心が強くシャイで神経質な面がある為、ストレスを与えないような環境を作ってあげる事が重要です。
見知らぬ人には警戒心を示し慣れるのに時間がかかる為、来客の多い環境は嫌がる可能性も考えられます。
来客の際は別の部屋に移してあげるなどの対策をとり、ストレスのない心地良い環境づくりを心掛ける必要があります。
最適なキャットフードの選択
神経質な性格から、気に入らないフードは全く食べない事もあります。
好まないものを無理に食べさせようとすると、ストレスを感じて体調を崩すこともあり得る為、注意が必要です。
但し、「食べてくれるなら何でもよい」というわけではありませんので、「好んで食べてくれる」に加えて、「栄養の考えられたバランスの取れた食事」を心がけてください。
特に筋肉質が特徴の猫種であり、また美しい被毛を維持するためにも高タンパクで嗜好性の良いフードを選んであげてください。
肥満に注意
ロシアンブルーは「フォーリンタイプ」とよばれるほっそりとした体形をしていることから、太るとすぐに外見にも表れます。
食べることを好む個体も多く、また、活発に動き回る事も大好きですがゆっくりと飼い主のひざにいることの方を好む為運動不足になりやすく、食事次第ではすぐに太ってしまいます。
肥満を要因とする病気にもかかりやすい為、栄養素だけでなく、カロリーや食事量における管理が重要になります。
ロシアンブルーの飼育に適した人と適した環境
ロシアンブルーの飼育は、その性格やルックス、特徴等により以下の方にお勧めです。
- 高貴で優美な雰囲気をもつ猫種を求めている
- 来客など、見知らぬ人の出入りが少ない環境である
- 猫アレルギーがあるが、猫が大好きで、どうしても猫を飼いたい
- 自由気ままな性格より、犬のような忠誠心を求めている
ロシアンブルーは、その性格やルックスから、ロシア貴族を思わせる高貴で優美な雰囲気を漂わせています。
ロシアの皇帝や貴族たち、英国の貴族階級の間でも大変愛された猫だったともいわれていますので、この漂わせている雰囲気にも納得です。
但し、神経質でシャイな性格からストレスを感じやすいところがあり、来客などが少ない環境の方がより適しているといえます。
また、アレルゲンの生成が少ない為、猫アレルギーを発症しづらいといわれており、猫アレルギーをもっているがどうしても猫を飼いたいという人が、室内飼いするには最適の猫種です。
性格は「まるで犬のよう」といわれるほどで、自分が認めた相手には絶対的ともいえるほど好意を寄せ、猫なのに従順かつ甘えん坊なところが最大の魅力です。
つまり、ロシアンブルーは、高貴で優美な雰囲気なのに、犬のように従順な忠誠心を持つ特別な猫です。
このロシアンブルーの性格や特徴に、多くの人が魅了されています。
実際に飼育する際には、上記の特徴と内面的な性格を考慮し、ロシアンブルーの為によりよい環境で育ててあげることが大切です。
最後に、性格と飼育時の注意点等を再度まとめていますので、ぜひ参考にしてください。
ロシアンブルーの性格
- 「ボイスレスキャット」の異名をもつほど静か
- 「犬みたいな性格」といわれる強い忠誠心
- 特定の人に示す大きな愛着心
- シャイで神経質かつ、人見知り
- 運動や遊びが大好き
ロシアンブルーの飼育時のコツや注意点
- ストレスを与えない環境づくり
- 最適なキャットフードの選択
- 肥満に注意
優美で気品高いルックスが人気のひとつであるロシアンブルーですが、ストレスや肥満体型が原因で体調を崩してしまっては可哀想です。
ずっと元気で、かつ、気品溢れる本来の姿で一緒に暮らしていく為にも、ロシアンブルーの性格、特徴をよく理解し、よりよい環境で飼育してあげる事が重要といえます。
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