家族の一員である愛猫の食事について考えた事があるでしょうか。どのような基準でフードを選ぶべきか一度は迷ったことがあると思います。
一概に何がいいと断定することはできず、飼育されている猫の年齢や体質によって選ぶべきフードは変わってきます。今回は様々な視点からキャットフードの選び方のポイントをお伝えします。
1.サイズで選ぶ
キャットフードの種類としてドライタイプとウェットタイプに大別できます。タイプに関係なく、キャットフードは開封後、空気に触れることにより日々酸化していきます。
特にウェットタイプはすぐに鮮度が落ちてしまいますし、カビなどが発生するリスクもあるため、開封後は冷蔵庫に保管し、24時間以内に使い切ることをお勧めします。
また、ドライタイプの場合でも、メーカーの多くは目安として開封後1か月で消費することを推進しています。
開封後は酸化が進み、成分変化していきます。これにより猫が体調を崩してしまうこともあるためです。猫の健康のことを考慮して鮮度が落ちる前に使い切れるサイズを選びましょう。
個包装タイプの紹介
キャットフードには小包装になっている製品もあります。
個包装タイプの多くは1袋80g前後となっており、これは概ね1日で消費する事ができる量でもあります。鮮度が落ちる前に消費しやすいためお勧めです。鮮度に敏感な猫や食の細い猫にも安心して与えられます。
2.原材料で選ぶ
キャットフードの主原料は、肉類や魚介類、穀類、豆類、油脂などで、さらに添加物が加わります。
猫は肉食動物であるため、動物性タンパク質が豊富な肉類、魚介類が多く含まれたキャットフードを与えてあげることが望ましいです。
動物性タンパク質が多く含有されているペットフードを選ぶためにまずは成分表を見てみましょう。
成分表には、使用比率が高い順に原材料を記載することが法律で決められているため、原材料名の1つめに記載されている主原料が「肉類」か「魚介類」のものを選ぶと栄養価も高く、食いつきも良い傾向があります。
ただし、成分表の表記が「鶏肉」「七面鳥」「鮭」「マグロ」など、動物名が明確にわかるか必ず確認してください。「肉類」など曖昧な記載の場合は、質の悪い肉が使われている可能性が高まるためです。
次に添加物についてお話しします。私たち人間の食事においても添加物を避けている人も多く、人間に比べてはるかに小さい猫の食事に添加物が使われていることについて不安に思う方もいますが、添加物が入っているからといって粗悪なフードであるとは限りません。
添加物の中には猫の健康に好ましくないものももちろんありますが、栄養素を凝縮したような添加物などもあります。食欲がない場合に食いつきが良くなったり、キャットフードに不足している栄養を補えたり、といったメリットもあるため、すべてを避けるのではなく、それが何かを把握し適量を与えてあげることが大切なのです。
3.猫の体型に合わせて選ぶ
痩せ型
猫が痩せ型である原因としては、栄養不足や病気を考えてみる必要があるでしょう。栄養不足の場合は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが悪いと考えられるでしょう。運動量が多い子の場合はその分、食事の量や栄養価にも気をつけてあげないといけません。もともと食が細い場合もありますし、消化吸収がうまくできない体質である可能性もあります。その場合は子猫用のカロリーが高いキャットフードや消化に良いグルテンフリーのフードを与えてあげるのが良いでしょう。
高カロリーのフードに変えても体重が増えない場合や、フードの量や種類が適しているにも関わらず改善しないとなると、今度は病気の可能性を疑わなければなりません。以前と比べて明らかに食が細くなり、急激に痩せてしまった、動きたがらなくなったなどと感じたら早めに動物病院を受診してください。猫の体調の変化に対して正しく診断をしてもらうためにも定期的に受診する信頼できる動物病院を見つけておくことも重要です。猫は体調不良を隠す習性があるので、毎日スキンシップをとって毛並みや体格の確認をしてあげるようにしましょう。
理想体型
上から見た際にきちんとくびれがあり、横から見た際はお腹がつりあがって見えるような適度に引き締まった体型が猫の理想体型と言われています。あばらはそれほど目立たず、触った時に薄く脂肪がついていると感じられるならば良い状態です。このような体型であれば、食事の量や栄養が適しているということなのでフードの種類や量を変更する必要はないでしょう。
現在、理想体型であっても加齢とともに変化してしまうことも考えられます。将来の健康も視野に入れて、丈夫で健康な体質を手に入れるためには、現在のキャットフードの原材料を見直してみるのもよいです。先述の通り、猫の理想的な栄養素(動物性タンパク質等)で構成されているかがとても大切です。また、安全な食材を使用しているかについても注意することをおすすめします。
肥満体型
猫の肥満体型とは、横から見た際に腹部が床と並行に近いボディラインで丸みを帯び、脇腹が適量の脂肪で垂れ下がっており、歩くと揺れるような体型を指します。また、体重が適正よりも15~20%以上増えていると肥満と判断されます。適正体重は個体差があるので獣医師に確認してください。肥満は猫にとっても万病の元になり得るため、ダイエットが必要です。しかし、運動で脂肪を燃焼させようとすると大きな負担がかかり、関節を痛めてしまうかもしれません。
そのため、猫のダイエットは摂取カロリーを抑えることに重きをおくことをお勧めします。単に食事量を減らしてしまうと、食事量に満足できずストレスを感じてしまうこともあるので、体重管理用のキャットフードをうまく使ってみましょう。メーカーからもダイエット用のフードが多く販売されています。また、フードをいきなり切り替えると警戒心の高い猫が食べてくれないこともあるかと思います。そのような場合はときはもともと与えていた餌に少しずつ混ぜ、7日ほどで切り替わるように比率を変えながら与えてあげるのがおすすめです。
4.値段で選ぶ
国産のキャットフードは比較的価格が安く、店頭やネットでも手軽に購入することができます。高品質を求めると、価格が高くなる傾向です。コスパを求めるのであれば、主原料や原材料、産地が明記されているか確認し、価格と品質のバランスが良いものを選びましょう。また、添加物の配合量もチェックすると良いでしょう。主原料が肉類、魚介類のどちらかであれば、比較的安全性が保たれていると言えます。
キャットフードの人気メーカー
ペットフードメーカーの多くは、一般用の他に、動物病院用、ブリーダー用など用途に特化したシリーズを準備しています。
現在はネットや量販店でも「療法食」を購入できますが、動物病院用などは特に本来、一般の飼い主が独自に判断して与えるようなものではなく、獣医師の指導により購入すべきものですので今回の対象からは除外します。
獣医師推奨メーカー
ロイヤルカナン
ペットフードといえば、ロイヤルカナンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。健康な猫にロイヤルカナンのフードを与える場合は、以下にご紹介するシリーズにすると良いでしょう。
獣医師おすすめのロイヤルカナンシリーズ<一覧>
ヒルズ
ヒルズはロイヤルカナンと並ぶペットフードの2大メーカーとして広く知られています。世界で初めて「療法食」を作ったメーカーでもあります。現在でも動物の健康や病気のために研究を重ねて、単なる栄養補給としての食事ではなく、猫自身が喜ぶ美味しい食事とする工夫にも力を入れており、特にウェットフードは猫の食いつきが良いと評判が高まっています。
獣医師おすすめのヒルズシリーズ<一覧>
ニュートロ
ニュートロは高価なフードメーカーに分類されることもありますが、他の価格ややお手頃です。費用に対して品質のパフォーマンスが良いと言えるでしょう。世界的なペットフードメーカー「ウォルサム」の製品という点が安心でき、毎日の食事におすすめです。
安価ながら、目的ごとに分けた様々な種類のフードが開発されています。例えば、避妊去勢用・室内用・減量用・穀物フリーなどです。味もチキンやサーモン、白身魚など様々ですので、グルメな子であっても飽きずに色々な味をローテーションできます。
獣医師おすすめのニュートロシリーズ<一覧>
猫ぐらしおすすめメーカー
カナガン
カナガンはイギリスのメーカーで、穀物不使用のペットフードを販売しています。人間でも食べられる原材料を使っていることもあり、高品質なキャットフードとして人気です。穀物不使用であることが大きな特徴ですが、それだけではなく、良質なたんぱく質を含み、栄養バランスが整った良質なフードであると獣医師も推薦するメーカーです。
まとめ
以上、キャットフードの種類や特徴、選び方のポイントをおすすめ商品の一覧とともにご紹介しました。
猫の健康を維持するためには毎日の食事に心を配ることが非常に重要です。
栄養価を基準に考えるとタンパク質の配合量と原材料が重要です。
また、ドライタイプやウェットタイプ、セミモイストタイプなどのバリエーションがあるので、愛猫の好みに合わせて変えてみるのも良いでしょう。
繰り返しになりますが、現在与えているフードから切り替える場合は、猫がゆっくり慣れるよう、もともと与えていたフードに混ぜて慣らしたり、持病のある猫なら獣医師にも相談するなど猫の様子や体調を日々把握して適切なフードを選んであげたりすることも大切です。
本記事も参考にしながら、ぜひ愛猫の健康について今一度考える時間を設けてあげてください。
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